グラフィックボードも数年使用しているとメンテナンスが必要となってきます。
ファンやヒートシンクにホコリが付着し、冷却効果が下がってくるからです。
今日は、ちょっと難易度が高めのシロッコファンが付いたタイプのグラフィックボードを分解して内部を清掃します。
目次
グラボ(シロッコファン)

こちらは、今回分解するゾーテックのGTX970です。
2年くらいメンテナンスなしで使用してしまったせいか、ファンにホコリがびっしりと付着してしまいました。
シロッコファンってさ、ホコリがたまりすぎると目詰まりを起こすんですよ。空気をまったく吸わない状態になるので、早めににホコリを除去しておきたいですね。
分解・清掃開始

プレートを外す
最初に、コネクターを固定するためのピンを外します。
これを外さないと側面のプレートが取れませんし、カバーを開けることもできないので、一番最初にする作業になります。

ラジオペンチなどで緩めることができるので、4本すべて外してください。
ただですね、ラジオペンチでつまむとピンにキズがついてしまうんですよ。
キズが気になる人や、いずれはグラボの売却を考えているような場合は、布を噛ませたり小型のスパナを用意するなどの準備が必要ですよ。
私はラジオペンチでぐいぐいいっちゃいました。

ピンを4本取ったら、グラボの裏面にあるプレートを止めているネジを外します。
ネジ1本で押さえてありますよ。

これでプレートが外れました。次は、いよいよ本体のカバーを開けます。
ここから先、意外とめんどくさいんで、ここまでの作業で嫌になっちゃった人は、プレートを外した所から見えるヒートシンクにエアーをかけて終了って手もありです。
ヒートシンクのホコリを取るだけでも大分違いますからね。
シロッコファンにも同様にエアーをかければ、それなりにきれいになります。

カバーを外す
さて、本体のカバーは裏面にあるネジをすべて外せば開きます。
ちょっと説明がおおざっぱですが、とりあえず手当たり次第ネジを外していってください。

裏面のネジをすべて外したら、側面にあるネジ2つを外します。
上記写真は手順を間違えてしまい、側面のネジを外す前に中の基板を取り出してしまった状態です。
側面のネジを外さなくても基板は取り出せるのですが、引っ掛かって出しづらいので先にネジを外しておきましょう。

裏面のネジすべてと側面のネジ2つを外したら、裏面の基盤を押さえながらグラボを表面に戻します。

カバーが外れ中が丸見えになりました。注意してほしいのが、基盤右上にある黒い線です。
あれはファンの線なんですが、基盤側のコネクターにつながっています。
カバーを無理に引き離してしまうと線が切れるので、カバーを基盤のすぐ近くに置いてコネクターを抜いてください。

ヒートシンクの清掃
これで内部の清掃が可能になりました。
ヒートシンクを外すとGPUが見えます。組み立ての際にはグリスをきれいに拭き取り、新しいグリスを塗ってくださいね。CPUグリスで大丈夫ですよ。

まずは、ヒートシンクをきれいにしましょう。ホコリがびっちり詰まっています。
エアーできれいにホコリを除去してもいいのですが、時間がある場合は水でジャブジャブ洗ってしまいましょう。エアーより格段にきれいになります。

ファンの清掃
次は、問題のファンです。
何が問題なのかと言うと、このシロッコファンってホコリを取り除くのがすごく大変なんですよね。
カバーと分離させたシロッコファンを見てみます。

ホコリで目詰まりをおこしています。これが悪化するとファンが空気を取り込めず、GPUをまったく冷やせない状態になってしまいます。
PCが突然落ちたりする原因のひとつになるんですよ。
そんでね、このシロッコファンなんですが、中心部が金属になっているんですよ。できれば水洗いをしたくないですよね、万が一があります。
多分大丈夫だとは思うのですが、水洗いする場合は自己責任で。

私はビビりなんで水洗いは避け、地道にホコリを除去しました。
そして綿棒でホコリを除去している最中に気づいたのですが、歯ブラシを使うとそれなりに楽です。
あくまでも「それなり」ですけどね。結構時間がかかる作業ですが、がんばって清掃してください。
シロッコファンの分解・メンテナンスの仕方

軸を出す
はい。ここからは上級者編です。
シロッコファンが時々止まるとか、異音がするなんて人はシロッコファンを分解してメンテナンスします。
シロッコファンの裏面のスポンジのような所の中心部を、マイナスドライバーなどでこすってください。

やわらかいビニールっぽい部分が現れました。
この部分にはシロッコファンの軸が隠れ ています。丁寧に扱ってくださいね。

やわらかい部分をカッターで切り取ります。
ぶっちゃけね、表面のスポンジは削らなくても切り取れると思うのですが、スポンジがあるとやわらかい部分がよく分からないんですよね。
自信がある人は直で切り取ってみてください。

シロッコファンの軸が出てきました。
なんかね、スポンジがぐちゃぐちゃで見栄えが悪いんですが、最終的には見えなくなる部分ですからね、気にせずに進みます。

ワッシャーを外す
軸部分はこうなっています。
軸にベアリングが入っていて、それをワッシャーで押さえてあります。
このワッシャーを外してシロッコファンをばらします。

ワッシャーをピンセットで広げて外すと… 見えますか? 上記写真中央の小さいリングがシロッコファンのベアリングです。
ベアリングが2つとスプリングが入っています。
ベアリングにたっぷりオイルを塗ったら、今度は逆の手順でグラボを元に戻せば清掃完了です。万能オイルで大丈夫です。
GPUにグリスを塗るのを忘れずに!
「シロッコファンが回らない」なんて不具合のときは、オイルを足したくらいじゃ良くならないことが多いです。
似たようなベアリングがホームセンターに売っています。新しいベアリングに代えるか、ヤフオクなんかで中古のシロッコファンを購入して交換するのもいいでしょう。
まとめ
シロッコファンタイプのグラボはメンテナンスが面倒です。
でもね、熱気をPCケースの外に出してくれるので、小型のPCを作るのには必要不可欠のグラボなんです。
しっかりメンテナンスして長く愛用してくださいね。
ばらしたついでと言ってはなんですが、シロッコファンの簡易水冷化に挑戦してみてはいかがでしょうか?
いいアイテムがあるんですよ。ファンの音も気にならなくなるしね、興味のある方は、ぜひご検討ください。
本日は以上!